JP・USP・IPを知る

PHARMACOPOEIAL STANDARDS

JP・USP・IPを、
品質基準として読む

薬局方は、医薬品や原料の性状・品質を確認するための公的な規格基準です。 日本薬局方、USP–NF、インド薬局方の役割と、個人輸入品を確認するときの限界を整理します。

WHAT A PHARMACOPOEIA IS

薬局方は、
医薬品の品質規格書

薬局方は、医薬品、原薬、添加剤、製剤等について、規格と試験方法を定める公的な基準です。

各条(モノグラフ)には、確認試験、純度試験、定量法、貯法等が定められ、 一般試験法や通則と組み合わせて適否を判断します。 収載品目と適用方法は、各国・地域の制度によって異なります。

IDENTITY

同一性

表示された物質・製剤であることを、確認試験等で確かめます。

STRENGTH

含量・力価

有効成分量や力価が規格範囲内であることを確認します。

PURITY

純度・不純物

類縁物質、残留溶媒、元素不純物等を規格に沿って確認します。

PERFORMANCE

製剤性能

溶出性、崩壊性、均一性等、剤形に応じた性能を確認します。

薬局方への適合は品質確認の一部です。製品の承認、GMP、製造所、流通、臨床上の適切性まで一括して保証するものではありません。

JP / USP–NF / IP

3つの薬局方の位置づけ

同じ「薬局方」でも、制定主体、法的な適用範囲、収載内容が異なります。
JP

JAPAN

日本薬局方

薬機法第41条に基づき、厚生労働大臣が定める日本の医薬品規格基準書です。 2026年4月に第十九改正日本薬局方が告示されています。

厚生労働省で確認する
USP

UNITED STATES

USP–NF

United States PharmacopeiaとNational Formularyを統合した米国の公定書です。 医薬品、原薬、添加剤等の公式規格を継続的に更新しています。

USP–NF公式案内を見る
IP

INDIA

インド薬局方

Indian Pharmacopoeia Commissionがインド保健家族福祉省を代表して発行する、 インドで製造・販売される医薬品の公式品質基準です。IP 2026は第10版です。

IP 2026を確認する
IPとPh. Int.は別です

このページの「IP」はIndian Pharmacopoeia(インド薬局方)です。 WHOが発行するInternational Pharmacopoeiaは通常「Ph. Int.」と表記され、別の公定書です。

MONOGRAPHS & GENERAL CHAPTERS

何が定められているのか

個別の各条と、共通して用いる通則・一般試験法を併せて読みます。
01

名称・定義

対象となる原薬・製剤の定義、化学名、組成等。

02

性状・確認試験

外観、溶解性、スペクトル、クロマトグラフィー等。

03

純度試験

類縁物質、残留溶媒、元素不純物、水分等。

04

定量法

有効成分量や力価を測定する分析方法と許容範囲。

05

製剤試験

含量均一性、溶出性、崩壊性、無菌性等。

06

貯法・包装

保存条件、容器、遮光、防湿等に関する規定。

REFERENCE STANDARDS

公定標準品との比較

確認試験や定量、純度試験等では、各薬局方が指定する標準品・標準物質を使用する場合があります。 「USP」「JP」「IP」の名称が付いた標準品は、それぞれの試験用途と使用条件を確認します。

DIFFERENCES & HARMONISATION

同じ成分でも、規格や試験法は同一とは限りません

収載範囲、規格値、試験条件、適用時期を確認します。
01

収載されているか

同じ原薬・製剤でも、ある薬局方に収載され、別の薬局方には収載されていない場合があります。

02

規格値

含量、類縁物質、水分、溶出性等の許容範囲が異なる場合があります。

03

試験条件

カラム、移動相、検出法、試料調製、判定方法等が異なる場合があります。

04

施行・改訂時期

追補、Issue、Addendum、Amendment、正誤表等により公式要件が更新されます。

HARMONISATION

国際調和は進められていますが、完全に同一ではありません

一般試験法や添加剤各条等では、各薬局方間の調和活動が行われています。 ただし、調和された項目、採用時期、各地域の追加要件には差があるため、 「USP適合ならJPにも自動的に適合する」とは判断しません。

HOW TO READ A CLAIM

「USP規格」「IP準拠」の確認項目

どの版・更新時点か 本体、追補、Issue、Addendum、Amendment、正誤表を確認。
原薬か製剤か 有効成分の原薬各条と、錠剤等の製剤各条は別です。
どの試験に適合したか 全規格への適合か、含量など一部の試験結果だけかを区別。
誰が、どのロットを試験したか 製造者、外部試験機関、試験日、ロット、試験成績書を確認。

PERSONAL IMPORT

薬局方と、海外医薬品の個人輸入

薬局方の名称だけで、実際に届く製品の品質を確定しません。
01

適用される薬局方を確認

製造国、承認国、製品資料に記載されたJP・USP–NF・IP等を確認します。

02

対象各条を確認

原薬か製剤か、剤形・規格が該当するか、公式な更新時点を確認します。

03

試験成績を照合

CoA等に記載された試験項目、方法、規格、結果、ロット、試験日を確認します。

04

承認・GMP・流通を別に確認

薬局方適合とは別に、承認、製造許可、GMP、包装、保管・流通を確認します。

薬局方適合だけでは分からないこと

  • 製品が当局に承認された品目か
  • 製造所がGMPに適合しているか
  • 届いた製品が真正品か
  • 保管・輸送条件が適切だったか

IMG Pharmacyの確認方針

  • 薬局方名だけを品質保証として表示しない
  • 版・各条・試験項目・ロットを区別する
  • CoAと薬局方規格を可能な範囲で照合する
  • 承認・GMP・製造所・流通情報と併せて確認する